<年代別>
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▼1973年のボクシング界(2000.10.28更新)
※1972年から1974年分に関しては資料不足(プロボク&ボクマガの欠号)の為、充分な検証が出来ませんでした。見落とし等、お気づきの点がありましたらご教示頂ければ幸いです。
■ヘビー級黄金時代の幕開け
1973年1月22日、ジャマイカで挙行された世界ヘビー級タイトルマッチは「キングストンの惨劇」と形容されるほど衝撃的なものだった。アリ神話に終止符を打ち、絶頂期にあった王者ジョー・フレイジャーを圧倒的なパワーでキャンバスへと転がし続ける挑戦者。ヘビー級第3の男として注目されたジョージ・フォアマンだったが、対戦者の顔ぶれから実力は未知数と言われていた。ベールを脱いだ怪物は王者を6度もキャンバスに這わせ2回KOでタイトルを強奪した。
9月に来日したフォアマンは格下のローマンを全く問題とせず、初回KOに降す。「像をも倒す」と言われた圧倒的なパワーとその倒しっぷりは“史上最強”と称するに十分なものであった。
フォアマンが衝撃的な戴冠を遂げた2ヵ月後、アリは若手のホープ、ケン・ノートンに2R、顎を砕かれた末に判定で不覚を取った。再戦でも苦戦を強いられ、僅差の判定でようやく雪辱。
フレイジャーは7月にジョー・バグナーを判定に降して再起した。しかし、アリ戦で深刻なダメージを受けたフレイジャーはアリとの一戦で燃え尽きてしまったようにも見えた。
1973年は「ヘビー級4強時代」の役者が出揃った時期でもあった。アリにはかつてのスピードは失せ、ロートル・ボクサーの感は拭えなかった。そしてフォアマンの覇権は揺るぎないものに見えたのだが・・・。
▼1973年のボクシング界<国内>
【1月】
■大場、またも逆転KO防衛!(1/2 東京)
WBA世界フライ級チャンピオン、大場政夫は同級2位、チャチャイ・チオノイを凄絶な逆転KOで破り、5度目の防衛に成功。元WBC王者のベテラン、チャチャイは1回に右ロング・フックで大場から痛烈なダウンを奪った。このとき右足首を捻挫した大場は苦しい戦いを余儀なくされるが、中盤からペースを掌握。12回に鬼神のような連打でチャチャイから3度のダウンを奪って逆転のKO勝ちを収めた。
■輪島、辛くもドロー防衛(1/9 東京)
世界J・ミドル級チャンピオン、輪島功一は同級1位、29戦全勝(19KO)の強豪ミゲール・デ・オリベイラと引分け、辛くも3度目の防衛に成功した。初回開始早々、オリベイラの右フックで限りなくダウンに近いスリップ・ダウンを奪われた輪島は挑戦者の固いディフェンスと鋭いパンチに大苦戦。中盤から攻勢に出た輪島が疑惑の残るドローで辛うじて防衛に成功した。
■大場が事故死(1/25)
1973年(昭和48年)1月25日午前11時22分、首都高速5号線を大場の運転するシボレー・コルベットは中央分離帯を乗り越え、大型トラックに激突。大場は救急車で病院へ運ばれる途中の午前11時55分頃死亡。ほぼ即死といえる状態だった。23歳、チャチャイ戦の激闘から僅か23日後の悲劇だった。
【3月】
■アルレドンド防衛(3/6 福岡)
WBC世界Jライト級チャンピオン、リカルド・アルレドンドは同級6位、アポロ嘉男を判定に降し、4度目の防衛に成功。海外遠征で力をつけ、岡部を2回KOで破り注目されたアポロだったが、中盤から生彩を欠き、10回以降はスタミナを失って最終回にはダウン寸前に追い込まれる完敗だった。
■昭和47年度全日本新人王決定(3/18)
●フライ級=田中哲也●バンタム級=水野久巳●J・フェザー級=佐久川正次●フェザー級=大橋満雄●J・ライト級=金城昌男●ライト級=菅原静夫●J・ウェルター級=ハーバー渡辺●ウェルター級=黒須秀雄●ミドル級=柴田賢治
【4月】
■輪島、親友対決制す(4/20 大阪)
世界J・ミドル級チャンピオン、輪島功一は同級8位、龍反町との親友対決を小差の判定で制し、4度目の防衛に成功。輪島にはいつもの闘志が見られず、盛り上がりの欠いた一戦となった。結局、中盤にペースを握った輪島が小差の判定を得た。
【6月】
■柴田、苦戦の初防衛(6/19 東京)
WBC世界フェザー級チャンピオン柴田国明は同級2位ビクトル・エチュガライを判定に降し初防衛に成功した。リーチで上回る挑戦者は左を突いて前進。柴田はパンチも単発で後退するシーンが目立つ。最終回にエチュガライがプッシュ気味のダウンを2度取られ、結局このダウンが勝敗を分ける結果となり、試合後に物議を醸した。
【8月】
■輪島KO防衛(8/14 札幌)
世界J・ミドル級チャンピオン、輪島功一は故郷・北海道で防衛戦を行い、同級6位、シルバノ・ベルチニを12回終了KOで破り、5度目の防衛に成功。7回に右ショートフックでチャンスを掴んだ輪島は一気のラッシュでベルチニをダウン寸前に追い込みペースを握る。12回、輪島の連打にロープにもたれたままグロッギーとなったベルチニはこの回終了後に棄権した。
【9月】
■フォアマン1R、KO防衛(9/1 東京)
日本で初めて行なわれた世界ヘビー級タイトルマッチはチャンピオン、ジョージ・フォアマンが同級9位、ジョー・キング・ローマンを初回僅か2分でKOして初防衛に成功した。フォアマンは左フックでローマンを倒し更に右フックを追い打ちして最初のダウンを奪うと左右の連打で2度目、最後は右アッパーでローマンを失神させた。格下相手とはいえフォアマンの強さが際立った一戦だった。
■アルレドンド、柏葉も降す(9/1 東京)
ヘビー級とのダブル・タイトルマッチとして行なわれたWBC世界Jライト級はチャンピオン、リカルド・アルレドンドが同級7位、柏葉守人を6回KOに降し5度目の防衛に成功。リング外の大口で「和製クレイ」と注目を浴びた柏葉だったが、老練な王者には歯が立たず、6回ボディブローでロープ外にダウン。追撃のラッシュでレフェリー・ストップされた。
【11月】
■上原、アルレドンド破る大金星!(11/29 沖縄)
WBC世界Jライト級チャンピオン、リカルド・アルレドンドは日本同級2位、上原康恒とノンタイトル10回戦を行なったが、ワンサイドの判定で敗れる波乱となった。上原は4回に左右フックでチャンスを掴むと、力強い攻撃で押しまくり、9回にはダウン(判定はスリップ)を奪うなど3人のジャッジがフルマークをつける完勝で“日本人キラー”アルレドンドから殊勲の星を挙げた。
■1973年度 年間優秀選手
■最優秀選手賞 輪島功一 ■殊勲賞 上原康恒 ■敢闘賞 柴田国明 ■新鋭賞 フリッパー上原 ■KO賞 ロイヤル小林 ■努力賞 花形進
■年間最高試合 大場政夫−チャチャイ・チオノイ
▼1973年のボクシング界<海外>
【1月】
■デュランKOで初防衛(1/20)
WBA世界ライト級タイトルマッチ、王者ロベルト・デュラン対挑戦者ジミー・ロバートソン15回戦はデュランが5回KO勝ちで初防衛に成功した。
■キングストンの惨劇!フォアマンタイトル奪取(1/22)
キングストンで行なわれた世界ヘビー級タイトルマッチは挑戦者のジョージ・フォアマンが王者のジョー・フレイジャーから1Rに3度、2Rにも3度と合計6度のダウンを奪い、2R・KOでタイトルを奪取した。フォアマンの猛打に文字通り宙に吹っ飛ぶダウンを喫したフレイジャーの姿が印象に残る。
【2月】
■ボーコーソー初防衛(2/9)
WBC世界フライ級チャンピオン、ベニス・ボーコーソー対元王者エルビト・サラバリアのタイトルマッチ15回戦はボーコーソーが判定勝ちで元王者を退け、タイトル初防衛に成功した。
■セルバンテス初防衛(2/16)
WBA世界J・ウェルター級チャンピオン、アントニオ・セルバンテス対挑戦者ヘスス・マルケスのタイトルマッチ15回戦はセルバンテスが正確なパンチで挑戦者をコントロール、15回にはダウンを奪って判定勝ち初防衛に成功した。
■ナポレス、ロペスをKO!(2/28)
世界ウェルター級チャンピオン、ホセ・ナポレス対挑戦者、アーニー・ロペスのタイトルマッチ15回戦はナポレスが伸びの良いジャブで挑戦者を寄せつけず、7回右アッパーでロペスを沈め4回目(通算7度)の防衛に成功した。
【3月】
■柴田、2階級制覇!(3/12 ホノルル)
WBA世界J・ライト級タイトルマッチ、王者ベン・ビラフロア対同級7位、柴田国明の15回戦は挑戦者柴田がスリリングな打ち合いの末、判定勝ちで海外での2階級制覇を成し遂げた。サウスポーの強打者ベンは野性味あふれるアタックで迫るが、柴田は足を使ったディフェンスワークでうまくこれをかわしシャープな左右をクリーンヒット。14回には王者の右フックから左ショートアッパーでダウン寸前に追い込まれたが、最終回に猛反撃に出て3−0の判定をものにした。
■セルバンテス、ローチェに雪辱(3/17)
WBA世界J・ウェルター級チャンピオン、アントニオ・セルバンテス対元王者ニコリノ・ローチェのタイトルマッチ15回戦はセルバンテスが左ジャブで元王者を寄せつけず、10回直前タオル投入によるTKO勝ちを収め2度目の防衛に成功。両者は71年12月にも対戦し、当時王者だったローチェが徹底したアウト・ボクシングでセルバンテスに判定勝ちしており、因縁の再戦だった。
■ノートン、アリの顎を砕き判定勝ち!(3/31)
北米ヘビー級タイトルマッチ、チャンピオン、モハメッド・アリ対挑戦者ケン・ノートンの12回戦はノートンの強打で顎を砕かれたアリが判定負けを喫する番狂わせとなった。
【4月】
■エレラ、新鋭降し返り咲き(4/15)
ピンダーの王座剥奪により空位となったWBC世界バンタム級王座決定戦は元王者のラファエル・エレラが新鋭ロドルフォ・マルチネスの強打に8回、2度のダウンを喫したものの逆に11、12回に4度倒してKO勝ち、王座に返り咲いた。
【5月】
■ジョフレ2階級制覇!(5/4)
WBC世界フェザー級チャンピオン、ホセ・レグラ対元世界バンタム級チャンピオン、エデル・ジョフレのタイトルマッチ15回戦は、145戦(131勝)と文字通り百戦錬磨を誇る王者レグラが3回にボディー・ブローでダウンを奪ったが、4回にジョフレも反撃して王者をグロッギーに追い込んだ。その後もジョフレは長身の王者を攻め抜き2―0の判定勝ちで、37歳にして2階級制覇を達成した。
■大場の後継者にチャチャイ(5/17)
大場の事故死で空位となったWBA世界フライ級王座決定戦は元王者チャチャイ・チオノイがフリッツ・シェルベを4回KOに破り、王座に返り咲いた。
■セルバンテス、フレーザーを返り討ち(5/19)
WBA世界J・ウェルター級チャンピオン、アントニオ・セルバンテス対前王者アルフォンソ・フレーザーのタイトルマッチ15回戦はセルバンテスが3回と4回に1度ずつダウンを奪った後、5回に3度のダウンを追加してKO勝ち。前王者を完膚なきまでに返り討ちし3度目の防衛に成功した。
【6月】
■モンソン、グリフィスを連破(6/2)
世界ミドル級チャンピオン、カルロス・モンソン対ウェルター、ミドル級元王者エミール・グリフィスのタイトルマッチ15回戦はモンソンが明白な判定でベテランのグリフィスを降し7度目の防衛に成功した。
■ナポレス危なげなく防衛(6/23)
世界ウェルター級チャンピオン、ホセ・ナポレスは敵地フランスに赴き同級1位、ロジャー・メネトリーの挑戦を受け、10ポイント以上の大差をつけて判定勝ち。5回目(通算8度)のタイトル防衛に成功した。
【7月】
■デュランKO防衛(7/2)
WBA世界ライト級チャンピオン、ロベルト・デュラン対挑戦者ヘクター・トムソンのタイトルマッチ15回戦はデュランが8回KO勝ちで2度目の防衛に成功した。
【8月】
■ゴンザレス、カント降す(8/4)
ボーコーソーがバンタム級転向の為返上したWBC世界フライ級の王座決定戦は、元王者のベツリオ・ゴンザレスがメキシコの気鋭ミゲル・カントに、キャリアにものをいわせて貫禄の判定勝ちし王座にカムバックした。
■フォスター12度目の防衛(8/21)
世界L・ヘビー級チャンピオン、ボブ・フォスター対挑戦者ピエール・フォーリーのタイトルマッチ15回戦はフォスターが苦戦の末フォ−リーに判定勝ち。12度目の防衛に成功した。
【9月】
■デュラン、石松をKO!(9/3 パナマ)
WBA世界ライト級タイトルマッチ、王者ロベルト・デュラン対同級8位、鈴木石松の15回戦はデュランが10回KOで3度目の防衛に成功した。精力的な王者の猛攻によく耐えていた石松だったが、10回ストマックへの右が決まり、3度のダウン(都合5度目)を喫して万事休した。
■マルセル3度目の防衛(9/3 パナマ)
デュラン対石松と同じリングで行なわれたWBC世界フェザー級タイトルマッチはチャンピオン、エルネスト・マルセルがキャリア15戦目でパナマに赴いた根本義光(同級9位)を相手にせず、9回2度のダウンを奪ってKO勝ちし3度目の防衛に成功した。
■セルバンテス4度目の防衛(9/8)
WBA世界J・ウェルター級チャンピオン、アントニオ・セルバンテス対挑戦者カルロス・M・ヒメネスのタイトルマッチ15回戦はセルバンテスが3回に2度、5回にもう1度ダウンを奪いTKO勝ち。4度目の防衛に成功した。
■アリ、ノートンに雪辱(9/10)
再戦となった北米ヘビー級タイトルマッチは前王者のモハメド・アリがケン・ノートンに僅差の判定勝ちで雪辱して王座に返り咲いた。
■ナポレス防衛(9/22)
世界ウェルター級チャンピオン、ホセ・ナポレスはカナダで地元の挑戦者、クライド・グレイの挑戦を受け、5回に左フックでダウンを奪うなど終始圧倒して判定勝ち。6回目(通算9度)のタイトル防衛に成功した。
■モンソン8度目の防衛(9/29)
世界ミドル級チャンピオン、カルロス・モンソン対挑戦者ジャン・クロード・ボーチェのタイトルマッチ15回戦はモンソンが判定で勝ちで8度目の防衛に成功した。
【10月】
■エレラ初防衛(10/13)
WBC世界バンタム級チャンピオン、ラファエル・エレラ対前WBC世界フライ級王者ベニス・ボーコーソーのタイトルマッチ15回戦はエレラが僅差の判定勝ちで初防衛に成功した。
■柴田、初回KO負け!(10/17 ホノルル)
3月に行なわれたWBA世界J・ライト級タイトルのリターン・マッチは前王者のベン・ビラフロアがチャンピオンの柴田国明を豪快な1R・KOに葬り王座奪回に成功した。初回からベンの望む打ち合いに果敢に応じた柴田だったが、ベンの見事な左フックをテンプルにもらい10カウントを聞いた。
■ジョフレ、サルジバルをKO!(10/20)
WBC世界フェザー級チャンピオン、エデル・ジョフレ対元世界同級チャンピオン、ビセンテ・サルジバルのタイトルマッチ15回戦はジョフレが4回、強烈なボディ・ブローをみぞおちに決めてサルジバルをKO。名王者対決を制してタイトル初防衛に成功した。
■チャチャイ初防衛(10/27 バンコク)
WBA世界フライ級チャンピオン、チャチャイ・チオノイはバンコクで同級2位、花形進を3−0の判定に降して初防衛に成功した。花形は4度目の挑戦も失敗に終わった。
【11月】
■アルカリ8度目の防衛(11/1)
WBC世界J・ウェルター級チャンピオン、ブルーノ・アルカリ対挑戦者ヨルゲン・ハンセンのタイトルマッチ15回戦はアルカリが5回KO勝ちで8度目の防衛に成功した。
■ゴンザレス初防衛(11/17)
WBC世界フライ級チャンピオン、ベツリオ・ゴンザレス対挑戦者アルベルト・モラレスのタイトルマッチ15回戦はゴンザレスが11回KOでモラレスを降し、初防衛に成功した。
【12月】
■フォスター13度目の防衛(12/1)
8月の再戦となった世界L・ヘビー級タイトルマッチはチャンピオンのボブ・フォスターが判定で挑戦者ピエール・フォーリーを返り討ちにして13度目の防衛に成功した。
■古山、善戦及ばず判定負け(12/5 パナマ)
WBA世界J・ウェルター級タイトルマッチ、王者アントニオ・セルバンテス対挑戦者ライオン古山の15回戦はセルバンテスが挑戦者の強打に手を焼きながらも判定で5度目の防衛に成功した。サウスポーの古山は2回、右フックで王者をグラつかせるが、中盤以降徹底したアウトボクシングに転じたセルバンテスが12、14回のピンチを凌いで判定をものにした。
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